玄関の防犯は、鍵を高性能なものに交換するだけで完璧、というわけではありません。空き巣などの侵入犯は、常に「侵入しやすく、見つかりにくい家」を探しています。彼らに「この家はリスクが高い」と判断させ、ターゲットから外させるためには、鍵の強化と合わせて、玄関周りの環境を総合的に見直すことが非常に重要です。まず、基本的な対策として、「ドアスコープ」の確認です。古いタイプのドアスコープは、外側から簡単に取り外せてしまい、そこからサムターン回しの工具を入れられる危険性があります。外側から外せない「防犯ドアスコープ」に交換するだけで、セキュリティは向上します。また、ドアとドア枠の間に隙間がある場合は、バールなどによるこじ開けを防ぐための「ガードプレート」を取り付けるのも有効です。次に、泥棒が最も嫌う「光」と「音」による対策です。玄関の前に、人が近づくと自動で点灯する「センサーライト」を設置するのは、夜間の侵入に対する非常に効果的な威嚇となります。また、ドアや窓に、開閉や衝撃を検知すると大音量のアラームが鳴る「防犯ブザー」を取り付けるのも、手軽で効果の高い対策です。さらに、忘れてはならないのが、「見た目」による防犯です。玄関周りがきれいに整頓されており、「防犯カメラ作動中」や、警備会社のステッカーが貼られている家は、家主の防犯意識の高さを感じさせ、泥棒に敬遠される傾向があります。逆に、郵便受けに新聞やチラシが溜まっていたり、家の周りが雑草だらけだったりすると、「留守がちで、管理が行き届いていない家」と見なされ、狙われやすくなります。このように、強固な鍵(ディンプルキー+補助錠)を「城壁」とし、センサーライトや防犯カメラを「見張り台」、そして整理整頓された環境を「兵士の士気」に見立て、玄関周りを総合的に要塞化していく。その意識が、あなたの家を、泥棒が手出しできない、真に安全な城へと変えていくのです。
鍵だけじゃない!玄関周りの総合的な防犯対策とは