スマートキーを紛失した際の高額な作成費用を前に、多くの人が「自動車保険で何とかならないのか」と考えるはずです。結論から言うと、加入している自動車保険の契約内容によっては、鍵の紛失による損害が補償される可能性があります。ただし、全ての保険でカバーされるわけではなく、特定の条件や特約が付帯している場合に限られます。まず確認すべきは、「車両保険」に加入しているかどうか、そしてその補償範囲です。車両保険には、補償範囲が広い「一般型」と、限定的な「エコノミー型」などがあります。鍵の紛失や盗難による損害は、多くの場合、一般型の車両保険でのみ補償の対象となります。エコノミー型では対象外となるケースがほとんどなので注意が必要です。ただし、一般型の車両保険に加入していても、自動的に補償されるわけではありません。保険会社によっては、「鍵の損害」を補償対象外としていたり、補償を受けるための条件を設けていたりします。例えば、単なる置き忘れや不注意による紛失は対象外で、盗難やいたずらによって鍵が壊された場合にのみ適用される、といった具合です。また、近年では「鍵の紛失・盗難費用特約」といった、鍵のトラブルに特化したオプションを用意している保険会社も増えています。こうした特約を付けていれば、車両保険の種類に関わらず、キーの作成費用や、場合によっては出張サービスの費用まで補償してくれることがあります。もし保険の利用を検討する場合は、まず自分の保険証券を確認し、契約内容を把握することが第一歩です。そして、必ず保険会社の事故受付センターに連絡し、今回のケースが補償の対象になるかどうか、利用した場合に翌年度の保険料(等級)に影響があるかどうかを事前に確認しましょう。保険を使うことで等級がダウンし、翌年からの保険料が上がってしまうと、結果的に損をしてしまう可能性もあるからです。スマートキーの紛失は痛い出費ですが、諦める前に一度、ご自身の保険内容を見直してみる価値は十分にあると言えるでしょう。
自動車保険で鍵の紛失は補償されるのか