会社のロッカーが開かなくなった際、多くの人が「すぐに鍵屋を呼べば解決する」と考えがちですが、これはオフィスにおけるトラブル対応としては、ほとんどの場合で間違った選択です。オフィスのロッカーは個人の所有物ではなく、会社から貸与されている「備品」であり、その管理責任は会社にあります。したがって、トラブルが発生した際は、個人の判断で外部業者に依頼するのではなく、必ず社内で定められた報告ルートを辿る必要があります。では、具体的に誰に、どのように連絡すれば良いのでしょうか。まず連絡すべき相手は、あなたの直属の上司です。どのようなトラブルであっても、まずは自分の上司に状況を正確に報告し、その後の対応について指示を仰ぐのが、組織人としての基本です。上司が状況を把握することで、業務への影響などを考慮した上で、適切な次のステップを示してくれます。次に、上司からの指示に従い、オフィスの設備管理を担当している部署に連絡します。これは一般的に「総務部」「庶務課」「ファシリティ管理部」といった名称の部署です。これらの部署は、オフィス内の備品管理を一手に担っており、多くの場合、全てのロッカーのマスターキーや合鍵を厳重に保管しています。そのため、担当者に連絡すれば、すぐに来てもらい、ものの数分で問題が解決することがほとんどです。また、会社によっては特定の鍵業者と保守契約を結んでいる場合があります。その場合も、業者への連絡や手配は全て管理部署が行います。もし、これらの正規ルートを通さずに勝手に外部の鍵屋をオフィスに呼び入れた場合、いくつかの問題が生じます。会社のセキュリティポリシーに違反する行為と見なされ、厳しい注意を受ける可能性があります。また、その際にかかった費用は自己負担となるのが原則ですし、万が一ロッカーを破損させてしまった場合の修理費も請求されるでしょう。ロッカーが開かないという個人的なトラブルは、組織のルールとセキュリティを守るという、より大きな視点で捉えることが大切です。